新しい3蜜は「緻密」「精密」「厳密」


 江戸後期の蘭学者だった宇田川榕菴は、オランダ語の「化学」の当て字に科学を意味する「シエミストリ」の音を当てて「舎密」と書いています。

 この字を見ると、やはり建物に人が密集する様子を想像してしまいます。

 その「密」が、「今年の漢字」に選ばれています。

 コロナ禍対策で回避すべき今年は、コロナ禍対策として密集、密接、密閉の「3密」にならないように「密」の字が頭から離れなかった1年でした。

 もっとも、この手のスローガンや流行語のようなものは時間の経過とともに急速に力を失うところもあります。

 この「3密」にしても、以前に比べて少々効き目が薄れているような感じです。外出機会が増える師走とはいえ、「3密」の合言葉の陰りを感じてしまいます。

 科学を意味する「舎密」のおかげでワクチン開発が進み、すでに海外では投与も始まっています。

 とは言っても、3密回避やマスク着用、消毒などのコロナ対策を「緻密」、「精密」「厳密」の3蜜で実践したいものです。

 それにしても、コロナ禍対策は鬱陶しく面倒くさいものです。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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