エッセンシャルワーカーを大切にしないニッポン


 

「Essential(エッセンシャル)」と聞いても、シャンプーの銘柄が思い浮かぶだけの人も少なくないでしょう。

 しかし、英語「Essential」は「不可欠な」「極めて重要な」「必須の」という意味です。

 コロナ禍のなかでエッセンシャルワーカーというと、奮闘する医療や介護の従事者が挙げられます。

 ただ、世の中は持ちつ持たれつです。生活必需品の製造や販売、鉄道やバスなどの運輸・交通、公共サービスなど暮らしを支える各種の仕事も広く捉えるとエッセンシャルということになります。

 このように、コロナ禍の感染リスクと向き合う業種は多くの分野にまたがっています。

 勤労感謝の日の11月23日、例年にもまして考えさせられることが多い日でした。祝日法では、勤労感謝の日は「勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝し合う日」とされています。

 しかし、土台となる雇用環境はどうでしょう。

 コロナ禍にともなった景気悪化による企業の倒産や業績低迷、それに伴う休業や失業、就職内定の取り消しなど弱者を支えるセーフティーネットがいかに機能していないということの表れでしょう。

 メディアでは、若い世代や女性の自殺増加や児童虐待の多発なども報じられています。

 11月は、労働時間の短縮や休暇の取得で余裕のある働き方を呼び掛ける「ゆとり創造月間」です。この取り組みは、実は1985年から続いています。

 30年以上を経て、どれだけの成果が生まれたと言えるのでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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