人生では冬に続いて老いが訪れる

 明治時代の作家、島崎藤村に「三人の訪問者」という不思議な作品があります。登場する最初の訪問者は、「冬」です。その「冬」に続いて、「老」が訪ねてきます。いずれも高齢者には嫌われがちな訪問者ですが、小説ではそれぞれにしさやありがたさを携えています。

作品を読んだ後、そう教えられているような気になります。

 コロナ禍に見舞われている今年の「冬」を想像すると、その不気味さに身構えてしまいます。新型コロナウイルスは低温や乾燥が好きらしく、このところ新規感染者が再び増加し始めています。感染しやすい気候に加え、寒さに窓を開けての換気も疎かになりがちです。手洗いも冷たい水では逡巡しがちになりますが、それではコロナを喜ばせるだけです。

 ここは、気を入れ直して感染対策を意識した冬支度を急ぎたいものです。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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