水害多発時代の「水文学」


「水文学」を目にすると、水の文学かと勘違いしそうです。

 実際の読みは「すいもんがく」で、宇宙を研究するのが天文学なら地球上の水の諸問題を研究するのが水文学です。

 中央大学の山田正教授は先日、こう嘆いています。

「この言葉が、なかなか定着しない」

 先日、熊本県の蒲島郁夫知事からリモートで意見聴取されたときの嘆息です。

 そのとき、山田教授は今年7月の熊本豪雨を「水文学的観点」から解説しています。宇宙から地上を眺めるような視点で、氾濫した球磨川や人吉盆地の地形から「治水的に守りにくい構造」と分析しています。

 蒲島知事は11月19日、川辺川へのダム建設の容認を表明しています。

 国の検証では、球磨川の治水はダム建設だけでは解決が難しいとされています。気候変動の「不確実性」も、考慮する必要があります。

 山田教授は、そこで治水の研究所を誘致してはどうか」と提案しています。研究者が常駐し、治水と環境の両立に挑み、得られた成果を水害多発時代に生かすという発想です。

 ともかく、球磨川が治水の聖地となることを願います。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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