麻薬常習への道はつるつるしている


 1950年代、米国ジャズは黄金期でした。当時、才能ある多くのミュージシャンが麻薬に溺れています。

 たとえばスタン・ゲッツは、薬欲しさに薬局に押し入って逮捕されています。マイルス・デイビスは、ジュリエット・グレコとの別れが引き金となって麻薬使用がひどくなっています。麻薬を買うため一時期、自分のトランペットまで質草にしています。

 大麻は、さらに危険な麻薬への入り口になりかねないことが心配されています。

 実際、所持などの大麻事犯の摘発者数は年々増加しており、昨年は過去最多を記録しています。摘発者の約6割は、20代以下の若者といいます。

 最近も、東海大学野球部員が大麻を使ったとして無期限活動停止となっています。人一倍、身体に気をつけるはずの大学運動部の学生まで使っていたと聞くと、若者の間に急速に広がっていないかと心配です。

 大麻が合法な国もあるし、害は少ないのではと甘く考えてしまうようですが、その入り口をくぐるとさらなる刺激を求め、覚醒剤など薬物の深みへとはまる危険が高くなります。

 マイルス・デイビスは、自伝でこう書いています。

「ひどい麻薬常習癖への長くて暗くて、冷たく、つるつるした道を真っ逆さまに滑り落ち続けていた」

 麻薬の入り口には、決して近づいてはいけないということでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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