普通国債の残高は1000兆円近くに積み上がっている
普通国債の残高は安倍政権下で250兆円以上も増え、すでに1000兆円近くに積み上がっています。
日銀による国債の買い支えの実態は、財政法が禁止している「日銀による国債の直接引き受け」と同じ状態に近づいているといった指摘もあります。
日銀による国債の引受けは、財政法第5条によって原則として禁止されています。この禁止条項は、「国債の市中消化の原則」と呼ばれています。
日銀が国債の引受けで政府への資金供与を始めると、政府の財政節度が失われます。結果的に日銀の通貨増発に歯止めがかからなくなり、悪性のインフレーションを引き起こす恐れがあります。
そうなると、通貨や経済運営に対する国内外からの信頼も失われます。
これは長い歴史から得られた貴重な経験であり、日本だけでなく先進各国でも中央銀行による国債引受けが制度的に禁止されているのです。
ただ、日銀では金融調節の結果として保有している国債のうち償還期限が到来したものについては、財政法第5条の但し書きの規定に基づいて、あらかじめ国会の議決を経た金額の範囲内に限って政府による借換えに応じています。
こうした政府による借換えのための国債の引受けは、年度ごとに政策委員会の決定を経て行われています。
「国債の市中消化の原則」が破られると、円の通貨としての信認が揺らぐリスクに繋がっていく恐れがあります。
政府と日銀は、そろそろ異次元金融緩和の出口戦略を真剣に模索する必要があります。
行き過ぎた金融緩和の弊害は、マイナス金利政策の長期化で地域経済を支えてきた金融機関の体力をも奪っているのが実態です。
国債は債務で、いつか返さなければなりません。1000兆円もの国債の返済は、孫の代にまで渡っていくでしょう。
コロナ禍で、ますます国債は積み上がるはずです。
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