コロナ禍後のグローバリゼーション


 ウィズコロナ時代は人の移動が制限され、グローバリゼーションは一時的に止まらざるをえません。

 ポストコロナ時代のグローバリゼーションを考えるために歴史を振り返ってみると、記録が相当量残っている近世以降では14世紀のペストが最初のパンデミックでしょう。

 当時、ペストの大流行で欧州では3人に1人が亡くなったといわれています。

 ペストに見舞われた人々が最初に取った行動は、やはりステイホームでした。

 ボッカッチョの「デカメロン」は、その偉大な記録です。

 ペストは神を冒涜したから発生したと考えた人々は、より敬虔になり教会に通って祈っています。

 当時の人々の思いとして、「メメントモリ(死を想え)」という言葉が残っています。

 ただ、神に祈ってもペストは収まりませんでした。

 そこで人々は「カルペディエム(その日の花を摘め)」という言葉に代表されるようにより現世的になり、神から自由になって自力救済を図ろうとしています。

 この流れがイタリアでルネサンスを生み、欧州中に広がっていきました。ペストは結果としてルネサンスを生み、グローバリゼーションを加速したのです。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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