世界はおたがいの首にナイフを突きつけ合ってきた


 仲の悪い男2人が、おたがいの首にナイフを突きつけ合っています。どちらかが先に手を出せば、もう一人も反撃します。2人とも死にたくはないので結局、どちらもナイフを使うことはありません。

 これは、先制攻撃を受けた相手も必ず報復する「相互確証破壊」(MAD)に基づく核抑止論です。 

 核兵器を手にして以来、人類はおたがい相手にナイフを突きつけたまま恐怖の脂汗を流してきたのでしょう。

 2021年1月、核兵器の保有、使用を禁じる核兵器禁止条約が発効します。この条約は、一部の国の核保有を認めた核拡散防止条約(NPT)とは違って核兵器を禁止すべき悪だと明確に位置づけています。

 これまで、突きつけ合ったナイフによって核戦争は起きなかったのかもしれません。しかし、おたがいナイフを首に向けていると万が一にも手が滑ることもあります。

 どちらかが正気をなくし、最初の一撃を加える危険もあるでしょう。しかも、いったんナイフが振るわれると、当事者だけではなく地球全体を破滅させかねないナイフです。

 戦後75年、ナイフによる不安定で不確実な核抑止からナイフそのものをなくそうという本物の核禁止へとようやく歩み出すことになります。

 問題は、保有国に核兵器をどう手放させるかでしょう。その残虐さを訴えられるのは、唯一の被爆国である日本国民かもしれません。

 しかし、日本政府はこの条約に参加していないのです。

 仲の悪い男2人が、おたがいの首にナイフを突きつけ合っています。どちらかが先に手を出せば、もう一人も反撃します。2人とも死にたくはないので結局、どちらもナイフを使うことはありません。

 これは、先制攻撃を受けた相手も必ず報復する「相互確証破壊」(MAD)に基づく核抑止論です。 

 核兵器を手にして以来、人類はおたがい相手にナイフを突きつけたまま恐怖の脂汗を流してきたのでしょう。

 2021年1月、核兵器の保有、使用を禁じる核兵器禁止条約が発効します。この条約は、一部の国の核保有を認めた核拡散防止条約(NPT)とは違って核兵器を禁止すべき悪だと明確に位置づけています。

 これまで、突きつけ合ったナイフによって核戦争は起きなかったのかもしれません。しかし、おたがいナイフを首に向けていると万が一にも手が滑ることもあります。

 どちらかが正気をなくし、最初の一撃を加える危険もあるでしょう。しかも、いったんナイフが振るわれると、当事者だけではなく地球全体を破滅させかねないナイフです。

 戦後75年、ナイフによる不安定で不確実な核抑止からナイフそのものをなくそうという本物の核禁止へとようやく歩み出すことになります。

 問題は、保有国に核兵器をどう手放させるかでしょう。その残虐さを訴えられるのは、唯一の被爆国である日本国民かもしれません。

 しかし、日本政府はこの条約に参加していないのです。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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