野暮ったさが人間臭かった007


 

 日露戦争の直前、英国のシドニー・ライリーというスパイは旅順に潜入し、木材会社の経営者となってロシア海軍の動きを英海軍情報部につぶさに流していたといいます。

 ハンサムで、女性の心を瞬時に奪う才能があったそうです。人心収攬術に長け、ギャンブル好きでもあったといいます。

 まさに、映画007シリーズのジェームズ・ボンドを彷彿とさせます。実際、ボンドの

ボンドのモデルの一人とされています。

 10月31日、初代ボンド役だった英国の俳優ショーン・コネリーさんが亡くなったと家族が発表しています。

 007の原作者イアン・フレミングさんは当初、コネリーさんが気にいらなかったといいます。

「必要なのはボンド役で、老いたスタントマンじゃない」

 コネリーさんは、苦労して俳優になっています。

 洗練されたスパイ役としては、当時のコネリーさんには少々野暮ったいところがあったようです。

 しかし、映画のヒットにフレミングさんも納得したといいます。

 たぶん、その野暮ったさこそが人間臭くて観客も共感しやすいボンドを誕生させたのでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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