東京オリンピックがサイバー攻撃に晒されている

 米国の絵本作家で、児童文学作家のドクター・スースの絵本「いじわるグリンチのクリスマス」、グリンチがクリスマスイブの夜に「ごちそうもプレゼントも飾りつけも全部、盗んでやる」と意気込んで麓の街に乗り込んでいく話です。

 寂しい山で暮らすグリンチは、賑やかなクリスマスが大嫌いです。

 だから、その日を台無しにしてやろうとイブの夜、偽サンタクロースに〝変身〟して麓の町へと乗り込んでいくのです。

 米国ではお馴染みの物語で、英語で「グリンチ」と言えば「他人の楽しみを妨害する人」という意味で通じます。

 さて先日、英国政府は「ロシアの特殊機関が来年の東京オリンピックをサイバー攻撃の標的にしている」と発表しています。

 コロナの感染拡大で1年延期となり、ただでさえ揺れる大会が今度はサイバー攻撃の災難に見舞われているのです。

 この開催には、確かに慎重論もあります。

 しかし、それは別の話で、平和の祭典を誰かの一方的な悪意によって台無しにされるのは真っ平ごめんというものです。

 ロシアは組織的なドーピング問題で五輪から除外処分を受けており、その不満が攻撃の背景と指摘されています。

 そう決めつけるわけにはいきませんが、本当だとすると随分と子どもじみた話です。 

 絵本のグリンチを諦めさせたのは、プレゼントを奪われても歌でクリスマスを楽しむ人々の姿勢でした。

 一方、サイバー攻撃を仕掛けるグリンチには、万全の対策と国際社会の連携によって改心してもらうしかありません。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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