鷺(サギ)が飛び交うニッポン


 子どもが欲しいものを親にねだるとき、「クラスのみんなが持っているんだよ」という言葉は有効です。

 本当はクラスの数人しか持っていない品物でも、その事実を伏せて自分だけが持っていないような説明を寂しげに呟くと、親の心も動くことでしょう。

 持続化給付金は、コロナ禍で経営に四苦八苦する事業者のための給付金です。これをめぐって、その不正受給が相次いでいるといいます。

 この詐欺行為に手を染めた人のなかには友人や知人から誘われ、受給資格もないのに申請して給付金を手に入れた者もいます。

「うまいことをやっている人がいる」と聞くと、自分もやらなければ損だと考える気持ちもわからないでもありません。

 犯罪グループから

「みんなやっているんですよ」と囁かれると、つい引っかかってしまうのでしょう。

 しかし、資格を語って受け取ると立派な詐欺です。それが増えているということは、時代の息苦しさを反映しているのでしょう。 

 そうした詐欺に手を染めた〝詐欺師〟の逮捕者が出ているというニュースに不安になり、今になって詐取した給付金を返したいという申し出が増えているといいます。

 まさに、鷺(サギ)が右往左往して飛び交っているニッポンの姿です。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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