夢は、非現実的であればあるほどライバルがいなくなる


 グーグルの創業者の一人、ラリー・ペイジ氏はこう語っています。

「夢は、非現実的であればあるほどライバルがいなくなる」

 自ら考案した画期的な検索プログラムを事業化するに当たってドメイン名を考えた結果、10の100乗という巨大数を表す言葉に決めたのは膨大な情報を整理するシステムなのを示すためだったといいます

 ただ、ペイジ氏はドメイン登録の際にスペルを間違えてしまいました。その巨大数を「Google」と書いたのですが、10の100乗を表す数の単位の言葉は「Googol」だったのです。

 それから22年、「Googol」ではなく「Google」は親会社アルファベットの時価総額が1兆ドルを超える巨大IT企業に大化けしています。

 米司法省は先日、「Google」が強大な市場支配力により競争を不当に妨げているとして反トラスト法(日本での独占禁止法)違反で連邦地裁に提訴しています。

 司法省が違法視しているのは、スマホメーカーに競合する検索サービスの初期搭載を禁じたり、アップルに毎年数10億ドルを払ってグーグルを標準サービスにしたりする行為です。

 これらが、競合サービスの成長を阻害しているというのです。

 米司法省は

広告市場での独占的地位も問題視していますが、もちろんグーグル側は直ちに全面的な反論を展開しています。

「消費者は強制や、代わりがないことからグーグルを使っているわけではない」

 司法での争いの長期化は、避けられそうにありません。

 雪だるま式に蓄積される巨大データが、市場に「独占」状況をもたらす今日のITビジネスです。

 適法か違法かはともかく、ライバルを駆逐するその現実の力が未来の扉を開く比類なき夢も駆逐してしまわないことを願います。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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