貧乏人とは、求めるものが多すぎる人のこと


 酷いコロナ禍に見舞われた南米で、ウルグアイは感染症の流行が低く抑えられています。  

 人口約350万人とはいえ、これまでの死者数は50人余りです。深刻な状況のブラジルと国境を接しているのを考えると、相当に少ない死者数です。

 人口密度の低さなど、いくつかの理由が挙げられています。

 現地発の報道によると、ホセ・ムヒカ大統領とその後任の大統領の時代に国の公衆衛生が大幅に強化されていたのが大きかったという専門家の声もあります。

〝世界一貧しい大統領〟と呼ばれ、国内外で愛されたムヒカ元大統領が、政治からの引退を表明したといいます。

 2015年まで大統領を務め、85歳の今は議員の身分でした。免疫系の持病があり、コロナ流行下で「もう人々のところに歩いていけなくなった」と語っています。

 報酬の大半を寄付し、清貧な暮らしぶりで知られています。

 ムカヒ元大統領が語った印象深い言葉があります。

「貧乏ではない。貧乏人とは、求めるものが多すぎる人のことだ」

 確かに、そう思います。

 ムカヒ元大統領は、国連会議で国同士が開発をめぐって対立する世界に向かってこう演説しています。

「発展が幸せに反してはなりません。人類の発展は幸福のためのものです」

 これは、世界への置き土産でしょう。

 引退表明の議会では、こう語っています。

「成功とは、倒れるたびに起き上がるということだ」

 今後、畑に出て豆やタマネギを育てるといいます。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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