インバウンドがコロナ禍前に戻るまで「2年半から4年はかかる」
国連世界観光機関(UNWTO)の報告書「世界観光指標」は今年上期(1~6月)に各国や地域が迎え入れた外国人訪問者数などをまとめ、その報告書を発表(10月20日)しています。
それによると、世界各地が迎え入れた国際旅客数が前年同期比で65%も減少しています。
とくに、コロナ禍の感染拡大の影響などで中国の減少率が8割を超えるなど日本も含めた北東アジアでの落ち込みが目立っています。
訪問者数を地域別でみると、最も減少率が大きかったのはアジア太平洋の前年同期比72%減です。次いで欧州が67%減、アフリカが57%減、中東が57%減、北中南米が55%減となっています。
国別でみると、中国が84%減。日本が76%減、韓国が75%減と北東アジア各国の苦境が際立っています。世界的に人気が高い観光地の香港やマカオも9割もの減少率となり、大きな打撃を受けています。
また報告書は外国人訪問者の旅行支出を示す「国際観光による輸出収入」について、今年上期は4600億ドル(約48兆円)が失われたと指摘しています。
その損失はリーマン・ショック後の09年当時と比べて「5倍以上」と分析し、コロナ禍による世界の観光業への影響の大きさを強調しています。
報告書は、国際的な渡航需要がコロナ禍前の19年の水準に戻るまでは「2年半から4年はかかるだろう」との見通しを示しています。
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