カラスの見栄は剥がされる


 イソップの寓話に、「黒丸烏(からす)と鳥たち」というものがあります。

 ある日、神様が鳥の中の王様を決めるというお触れを出します。カラスは、今のままの姿では自分は選ばれないと思っています。

 自分の黒い羽では、どうしても目立たないとわかっていたからです。

 そこでカラスは各地を歩き回り、他の鳥たちが落とした羽根を拾い集めていきます。そして、それを全身に貼りつけたのです。

 王選びの日、神様はカラスのあまりの美しさに王様に選ぼうとします。

 しかし、カラスは他の鳥から羽根を奪い返され、元のカラスに戻ってしまいます。

 似たようなことは、人の世界でもよく見られます。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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