バスケットボール専用のシューズ「オールスター」の雄弁さ


 伝説のシューズは、バスケットボールのスター選手チャック・テーラーがいないと歴史に埋もれていたかもしれません。

 それは、1917年にコンバース社から発売されたバスケットボール専用のシューズ「オールスター」です。

 当時、バスケットボール自体が考案されてからまだ日の浅い競技でした。

 テーラーはプロ時代からオールスターを愛用し、ゲームとシューズの普及に尽力しています。その功績から殿堂入りを果たし、靴には彼のサインが加えられています。

 その誕生から100年余り経っていますが、クラシカルなデザインは今もほとんど変わりません。しかし、ストリートファッションに欠かせないアイテムとして根強い人気を誇っています。

 黒人女性初の米国民主党の副大統領候補となったカマラ・ハリス上院議員は指名後、ジャケットとスキニージーンズに踝が出る黒のチャック・テーラーを履いて空港に降り立っています。

 その動画が、1晩で800万回近く再生されたといいます。

 テニスの全米オープンで優勝した大坂なおみ選手のマスクが話題になったように、ファッションは時に言葉よりも雄弁にメッセージを発します。

 シンプルなスニーカーが語るのは、権威の象徴のようなピカピカの革靴とは対照的な親しみやすさや変革の風かもしれません。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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