菅政権の本当の顔は〝警察内閣〟
役人の情報が記された閻魔帳のような風評記録集「よしの冊子」は、江戸幕府の老中だった松平定信が「寛政の改革」での人事に用いたといわれています。
それを作成した人物は、定信の側近で信任の厚かった水野為長です。
為長は、御庭番など密偵も使って幕府役人や学者、医者などの行状や評判を収集しています。さらに諸大名や外国関係の風聞や朝廷などの情報も報告しています。
今で言うなら、まさに情報機関のトップでしょう。
菅政権では、事務方の杉田和博官房副長官がその〝為長役〟を担っているとされています。
杉田官房副長官は、日本学術会議の人事をめぐって6人の推薦候補を任命しないと決定した人物といわれています。
警察庁出身で、内閣情報調査室長などを歴任した情報のプロです。
内閣の裏方トップである官房副長官を約8年も務め、幹部官僚人事を仕切る内閣人事局長も兼ねています。
もちろん、手元には自前の〝よしの冊子〟も持っているでしょう。
政府の審議会のメンバー選定で、政権に批判的な専門家にダメ出しをしていたとの報道もあります。
同じ調子で、日本学術会議の人事でも〝排除の論理〟を助言していたのでしょう。
菅首相もその側近である杉田官房副長官も、学問の自律を体現する公的機関の人事に政治を持ち込む重大さにまったく無頓着だったようです。
江戸城か首相官邸かも見分けがつかない、自由主義や民主主義の本質も知ろうとしない〝無知〟ぶりには呆れてしまいます。
菅政権は10月15日、さっそく免許証とマイナンバーカードの統一を目指すことを表明しています。
狙いは、国家による個人の財産や預貯金を含めた個人情報の把握であることは明らかです。
かように、菅政権の本当の顔は〝警察内閣〟で、財務省も〝納得〟した中国のような〝管理社会〟を目指しているということです。
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