自民党は本当に総選挙で大勝できるのか


 選挙で、白人候補と黒人候補が一騎打ちとなっていると仮定します。

 世論調査では、黒人候補の圧勝と出ました。しかし、実際に当選を決めたのは白人候補のほうでした。

 この世論調査で現れた「調査と実際」のズレの原因は、調査対象者の一部が〝ある種のウソ〟をついていたことです。   

 実際には、世論調査で「白人候補を支持する」と回答すると自分が人種差別主義者と思われないかと心配する人がいたのです。

 つまり、調査では黒人候補と答えておきながら実際には白人候補に投票した白人有権者が一定数いたというわけです。

 米国の選挙で実際に起きた現象で、負けた黒人候補ブラッドリーさんの名前から人種を原因にした世論調査と結果のズレは「ブラッドリー効果」と呼ばれています。

 日本では今、世論調査で辞任した安倍首相と自民党の支持率が上昇しています。これも、一種の「ブラッドリー効果」なのかもしれません。

 7年8か月の長きに渡って重責を担ってきた安倍首相が病気で辞任することは、ある意味で気の毒な状況です。

 だから安倍首相に不満があったとしても、世論調査で「支持しない」とは回答しづらかったのでしょう。

 これは、人が世論調査といえども「自分が他人にどう見られるか」を気にしているということです。

 自民党内では今、その高い支持率を背景に早期衆院解散、総選挙という話が出ているといいます。

 しかし、ブラッドリーさんの敗北を思うと、その高い数字が本当に信用できるものかどうか考えものです。

 そもそも次の選挙の顔になるのは安倍前首相ではなく、総裁選で最も地味だったといえなくもない菅新首相です。

  菅政権は、日本学術会議の問題など次々と〝馬脚〟が表れてきています。人気が、下がりつつあります。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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