ロシアがワクチン名にスプートニク1号と名づけた思惑


 1957年、ソ連が「スプートニク1号」で世界初の人工衛星打ち上げに成功すると、どこより科学が進んでいると自負していた米国人は驚き、打ちひしがれたといいます。

 当時、米国紙は「破滅的敗北」であると書き、米国人科学者は「技術版の真珠湾攻撃」だと嘆いたと伝えられています。

 一方、ソ連にとっては国民に国の威信を示す〝大勝利〟となっています。

 ロシアのプーチン大統領が先月、自国製の新型コロナウイルスのワクチンが完成したと明らかにしています。

 しかも、世界に先駆けて承認もされたワクチンは「スプートニクV」と名づけられています。プーチン大統領には、「人工衛星のショックよ、再び」という思惑があったのでしょう。

 驚きの開発の速さで、プーチン大統領の娘も接種し、すでに配布が始まっているといいます。

 ただ、治験が終わる前に承認されていたといいます。

 まさに、安全の確認よりも政治の思惑や国威の発揚を優先させたといったところでしょう。

 かたや米国では、トランプ大統領が大統領選前のワクチンの完成を求めているといいます。

 一刻も早くワクチンをと望んでおきながら、いざ実用化が近づくと政治的思惑が前面に出てきたようで安全性が気になります。

 ただ、欧米の大手製薬会社がワクチン開発をめぐって「安全性を最優先にする」との共同声明を発表しています。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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