英科学誌ネイチャーも菅政権の姿勢を批判


 英科学誌ネイチャーは、「科学と政治の切れない関係」(10月8日号)というタイトルで社説を掲載しています。

 そのなかで新型コロナウイルスの感染拡大や地球温暖化、プラスチックゴミなど環境問題をめぐり、トランプ米大統領を初めとする世界中の政治家が科学的エビデンスを無視したり、貶めたりするケースが相次いでいると批判しています。

 菅首相が日本学術会議の6人の会員候補を任命しなかった問題にも触れ、こう訴えています。

「政治家が、学問の自律性や自由を守るという原則に対して反発している。日本学術会議は科学者の声を代弁する独立した組織だが、菅首相が政府の政策に批判的だった6人の学者の任命を却下した。首相が任命する制度になって以来、初めてのことだ」

 ネイチャー誌は、これまでもトランプ大統領が科学的な課題に与えてきた〝問題点〟を特集しています。

 社説でも、ブラジルのボルソナロ大統領がアマゾンで森林破壊が加速したという報告書を受け入れなかったり、英国で新型コロナの統計データが繰り返し不正確になったりと、政治家が「議論の余地のないエビデンスを無視」するケースが頻発していると指摘しています。

 その文脈で、こう懸念しています。

「国家が学問の独立性を尊重するという原則は、現代の研究を支える基盤の一つである。政治家がこの約束を破れば、人々の健康や環境、社会を危険にさらす」

 そして今後、しばらくの間、より多くの政治ニュースを取り上げるとの方針を明らかにしています。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

0コメント

  • 1000 / 1000