国家主義や排外主義とは無縁の開かれたアイデンティティー
ベラルーシ人は、我慢強いといわれています。
昔、「あなたは何人か」と聞かれたベラルーシの農民は、「この土地の者です」と答えたそうです。
ベラルーシ人の国民意識の薄さは、今や国家主義や排外主義とは無縁の開かれたアイデンティティーとして再評価されています。
しかし、その我慢強くて自己主張をしないベラルーシの国民が今、怒っています。
26年間も同国に君臨するルカシェンコ大統領が6選された選挙の不正を追及し、抗議運動を起こしているのです。
一方、ルカシェンコ大統領は弾圧の構えを崩していません。欧露の狭間にある同国の混乱は、6年前のウクライナを思わせます。
欧州最後の独裁者といわれるルカシェンコ大統領は近年、経済の停滞で国民の支持を失っていました。コロナ禍での「ウオッカを飲めば治る」などの言動が、そのトドメ指した形となっています。
欧州連合(EU)は、この選挙不正や市民弾圧を厳しく難じています。
ただ、ルカシェンコ政権に抗議する市民は必ずしも反露派ではないといいます。
欧露に色分けさない「この土地の者」たちの反独裁運動は、新しい形の政治秩序を生み出すかもしれません。
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