芸能人の自殺の連鎖


 テレビドラマや映画などで活躍していた俳優の竹内結子(40歳)さんが9月27日、お亡くなりになりました。

 警視庁は、現場の状況から自殺とみて調べているようです。

 7月には俳優の三浦春馬(30歳)さんが亡くなり、一線で活躍する芸能人の自殺とみられるケースが相次いでいます。

 都内の精神科医によると、著名人の自殺を知った人が「あの人でも辛いことがあれば自殺するんだ」という心境になり、自殺を選ばせてしまうケースがあるといいます。

 一般的に自殺に至るケースの多くは、精神医学的に何らかの病名の診断ができるそうです。そして治療を受けると、自殺を防げるケースも少なくないといいます。

 SNS上では、著名人の死やその原因をめぐる書き込みが氾濫しています。ただ、安易な原因の推測は悩んでいる人を刺激して連鎖を助長するリスクがあります。

 電話相談を受ける「いのちの電話」の関係者によると、過去には著名人の自殺報道後、相談者がその話題を持ち出すケースが増えたといいます。

 コロナ禍の今、色々な苦境から命に関わる相談も増えているそうです。

 厚生労働省によると、2019年の自殺者は過去最少の2万169人でした。最も多かった03年の3万44277人から約4割も減っています。

 ところが、警察庁の統計では今年8月の自殺者は1849人で、前年同月比で246人も増えているのです。

  今年の自殺者が急増した背景には、コロナ禍の影響も指摘されています。

 実際、経済的な困窮を抱える人や精神的な不安定さから孤独感を感じている人が激増しているといいます。

 菅内閣は相談窓口が設けられていることをメディアなどを使ってアピールしていますが、相談窓口を設置すると自殺が減るわけではありません。

 今こそ、菅首相が唱えている「公助」を〝実質的〟に実行することが必須でしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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