ノトーリアス(悪名高き)は思慮深い自立したレディー


 現在、米国ハーバード大学ロースクールの学生の男女比率は、だいたい同じです。ただ、先日、87歳で亡くなった米連邦最高裁のルース・ギンズバーグ判事が同大に入学したとき、男性500人以上に対して女性はわずか九人だったといいます。  

 ルースさんは学生時代、教授の質問に答えるとき緊張したそうです。もし自分が失敗すると、女性全体の能力を疑わせることになるという考えがあったからです。  

 子どものとき、母親にこう教えられたといいます。 

「レディーであれ、自立した人間であれ」  

 日ごろ鋭い意見の持ち主で、「ノトーリアス(悪名高き)」の愛称もありました。  

 ただ、決して感情的にならず、地道な説得によって社会をより良き方向へと一歩ずつ進めていく人物だったといいます。  

 それが、「思慮深い自立したレディーになる方法」だったのでしょう。  

 大学教授や弁護士、判事の経歴を通じて、法の下での平等が約束している通り各分野で賃金差別の解消や機会均等など「男女比率」を同じにすることに取り組んでいます。  

 その取り組みと主張は、米国のみならず世界の目を覚まさせています。  

 リベラル派でしたが、最高裁の同僚では保守派の故スカリア判事と仲が良かったといいます。どんなに意見が違っていても友情を育める、話し合える、小柄でしたが心の大柄な人物でした。  

 議論に勝つ方法について、こう教えています。 

「大声を出さないこと」  

 大声を出すと相手と冷静に話し合えません。  

 意見が対立しがちな時代、大切な教えです。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

0コメント

  • 1000 / 1000