詐欺師は持てる才能を駆使する


 世紀末のパリの舞台で活躍したサラ・ベルナールは、〝黄金の声〟を持つと讃えられた名女優です。

 レストランのメニューをセリフ代わりに読み、人々の涙を誘ったとも言い伝えられています。  

 作曲家ロッシーニはオペラ「セビリアの理髪師」で知られていますが、こう豪語していたといいます。 

「洗濯物のリストを見せてくれ、それに曲を付けてやる」  

 オペラ「洗濯物」が作曲されたかどうかはわかりませんが、味も素っ気もないものがその手にかかると人の心を動かすものに転じるということでしょう。  

 いわゆる詐欺も、似たところがあるかもしれません。  

 実際、何らかの才能を持った詐欺師は後を絶ちません。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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