ミスキャンパス④「〝クソリプおじさん〟の対応など気苦労が絶えない」


  あるミスキャンパス候補者は、こう嘆いています。 

「ミスコンが始まってから、様々な理由で実稼働させられています。その時間が本当に長く、心が折れてしまいそうです。  

 配信活動には『一定期間内に〇〇時間以上配信する』などのノルマがありますし、それ以外でもイベントや撮影、スポンサー企業との顔合わせに呼ばれたりと毎日ミスコンのために奔走しています。しかし、私たちのところにはほとんどギャラが入ってきません」  

 彼女たちはミスコンを盛り上げ、グランプリ獲得に向けて奔走しています。しかし、そこで生まれた利益とは〝無縁〟です。  

 ミスコンを運営している広告研究会は、起業家を目指す学生などが多く、学内でもいわゆる〝意識高い系〟の学生が多く在籍するサークルです。  

 そのなかでトップになると「100万円くらいもらえる」という噂もあるくらいで、候補者の稼働分で発生する利益は広告研究会に入っているのが実情です。  

 なかにはスポンサー企業に対して就活用のエントリーシートを見てもらい、内定の根回しをしてもらうという話もあるほどです。  

 しかし、実際にはスポンサーを取る営業活動も候補者が請け負ったりしています。  候補者たちはSNSの運用の仕方や、PR投稿の内容についても細かく注意されます。やってることは、インフルエンサーマネジメントの会社と一緒です。  

 前述のミスキャンパス候補者は、こう不満を漏らしています。 

「そうまでしてSNSをチェックされても、自分の窺い知らないところでキレてくる通称〝クソリプおじさん〟“もいますし、気苦労が絶えません」  

 ミスキャンパスパスファンのなかには実際、候補者の言葉遣いを注意してくるお門違いな〝クソリプおじさん〟や写真から居場所を特定する〝特定班的なミスコンオタク〟がいたりして、一般人相手の広報活動でもストレスを感じているようです。  

 ミスキャンパスの世界はまさに現代の〝女工哀史〟のようなもので、完全に〝搾取〟の構造が出来上がっているというのが実態なのです。  

 ただ、候補者たちはミスキャンパスの先輩たちが稼働してくれているから、それを思うと自分たちも断れないという心理になっているようです。  

 ミスキャンパス候補者たちは今、ネットで一般投票が始まったことで学生だけでなく大人に向けてもAKB48や乃木坂46、欅坂46などのようなアイドル活動みたいなことをしなければならなくなっているようです。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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