ティックトックをめぐる米中の攻防


 米商務省は9月18日、中国発の動画アプリ「TikTok(ティックトック)」と対話アプリ「微信(ウィーチャット」を米国内で制限する大統領令について、その詳細を公表しています。  

 この大統領令は8月6日に発表されていたもので、これについて45日間の猶予期間を終える今月20日、両アプリともに新規のダウンロードなどの利用を禁止すると発表しています。  

 この発表によると、米国内では今月20日から、両アプリとも新規の提供が禁じられ、アップデートもできなくなります。  

 なおウィーチャットについては、この時点で米国内での送金・決済などの提供も禁止されます。  ともかく、米国に住んでいる中国人を中心に大きな影響が出そうです。  

 さらに11月12日からはティックトックも禁止の範囲が拡大され、ダウンロード済みのアプリでもその機能が制限されることになっています。  

 ただ、ティックトッをめぐっては、米国事業の買収をめぐる土壇場の交渉が続けられています。

 なお発表では、一縷の望みも示唆されています。 

「トランプ米大統領は、11月12日までにティックトックがもたらす安全保障上の懸念は解決されることも想定しており、その場合はこの命令は解除されうる」  

 今や米中対立の象徴ともなっているティックトック問題の落としどころ次第で、今後の米中対立の構造が決まってくる感じです。  

 ティックトックに関しては、中国国内から技術云々より「米事業の売却はカッコ悪い」という反発の声が強く出ています。  

 もちろん、中国政府もそれを阻止しようとしています。  

 ティックトックのオーナーは売る気満々のようなのですが、中国共産党がそれを許さないようです。  

 それもあってティックトックは米政府を相手に訴訟を起こしていますが、できるものなら自国の政府を訴えたほうが〝資本主義〟の本道というものでしょう。  

 中国共産党を訴えることができないのに、米国は自由の国だから米政府を訴えるというの図々しいにも程があるというものです。  

 かように中国という国は、〝自由をともなった資本主義〟の良いとこどりをしているということです。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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