偽りのパンデミック
2010年1月、ドイツの副議長で欧州評議会のヴォルフガング・ワダルグ保健委員会長はこう主張しています。
「大企業がワクチンを売るため〝偽りのパンデミック〟を宣言するように、世界保健機関(WHO) に圧力をかけるためのパニック・キャンペーンを画策してきた。これは、政界最大の医学のスキャンダルの一つである」
09年5月にメキシコシティで始まったとされている〝偽りのパンデミック〟キャンペーンは、数百人程度の通常のインフルエンザ症例が報告され、これが新たなパンデミックの脅威だとされています。
しかし、その根拠は乏しいものだったのです。
欧州評議会は10年3月、国際的な豚インフルエンザ・キャンペーンは製薬会社の影響を受けているとして調査を開始しています。
同年4月、医師でWHOのインフルエンザの責任者でもあったる福田 敬二さんがパンデミック宣言を導いた体制が、H1N1についての混乱をもたらしたと述べています。
同年6月、英国医師会の雑誌「BMJ」のフィオナ・ゴッドリー編集長は、調査をもとにWHOを批判しています。
「パンデミックに関するWHOの顧問に、抗ウイルス薬とワクチンを生産している製薬会社との間に金銭関係があるという調査がある」
こうした非難に対して、WHOの陳馮富珍事務局長はこう応答しています。
「製薬業界の影響を受けているという印象を残してしまうでしょうが、パンデミック宣言の決定は定義された基準に基づいたもので、この基準をねじまげるのは難しい」
コロナ禍の今、WHOが経てきた歴史を振り返ってみると、トランプ大統領のWHO批判もあながち〝根拠のないもの〟とは言い切れないかもしれません。
ただ、ワクチンを開発した製薬会社に莫大な利益がもたらされることだけは間違いないでしょう。
0コメント