コロナ禍とポスト工業社会


 コロナ過をきっかけに、会社や組織でテレワークが広がりを見せています。  

 日本は工業社会で成長を遂げ、モノづくりで世界をリードしてきた歴史があります。その成功体験が会社や組織の文化、管理職の頭のなかに染み込んでいます。  

 それが、テレワークという新しい働き方への適応を妨げているところがあります。とくに過去の成功体験にとらわれている管理職が、テレワークの意味をあまり理解できずにうまく実践できないのです。  

 実際、テレワークを導入した現場では、そうした上司が部下に対して導入前よりも頻繁に報告を求めるようになったという声も上がっています。  

 要するに、過去の成功体験から脱却できない管理職の多くが目の前に部下がいないと不安になり、会社や組織を成り立たせている「役割」よりも部下の「行動」を管理しようとしているのです。  

 その点、ポスト工業社会へ一足先に踏み入れた欧米企業は日本企業に比べて「役割」と「行動」の切り離しが早かったという実態があります。  

 そうした欧米の企業では、チームで仕事を進めていく部門でもオフィスには人があまりいません。空席にはマイクロホンを兼ねたスピーカーが置かれ、在宅勤務の社員がまるで席にいるかのように会話しながら仕事をしています。  

 そんな在宅勤務の社員は会社から遠く離れた地域に住み、月に一度、半年に一度といった感じで顔合わせに出社してくるといいます。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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