世の中、仲のいい夫婦ばかりではない


 夏目漱石は結婚4年後に英国留学し、2年後に帰国しています。夫婦は再会を喜び合ったかと思えば、帰国した当日に揉めています。  

 漱石は、なんと留学前に書いた短冊「秋風の 一人を吹くや 海の上」が家に飾ってあるのを見て破り捨てたのです。  

 妻は漱石が留学中、手紙をあまり寄こしませんでした。しかし、帰国したときしおらしく短冊を飾っていました。漱石には、それがおもしろくなかったようです。  

 コロナ禍の状況下、ことはもっと深刻です。世界的に、女性に対する家庭内暴力(DV)が急増しているというのです。感染対策で外出が制限され、夫婦でともに過ごす時間が長くなるのが原因といいます。  

 外は今、ウイルス禍の嵐です。それを凌ぐための家でもDVでは救いがありません。助け合いと励まし合いのときに、むしろDVは減ったという結果を残したいものです。  

 ある女性が、都庁に電話をかけてきたといいます。 

「パチンコ店も休業要請の対象なんですよね」  

 職員は、「そうです」と答えました。すると同じ女性がまた電話してきて、同じことを聞いてきます。繰り返すこと数回におよび、職員が「なぜ同じことを」と聞くと、女性はこう答えました。 

「何度聞いても気分がいいんですよ。亭主がパチンコをやめられなくて」  

 現実には、こういう夫婦が多いのでしょう。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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