意図的なヘイト本の陳列コーナーは出版業界の無責任の連鎖


 ここ数年、街の本屋さんで嫌な気分に襲われることがあります。それは、毒々しいコーナーを目にするからです。そこには、韓国や中国への剥き出しの嫌悪の言葉が躍る〝ヘイト本〟がたくさん並べられています。  

 こうした〝意図的な陳列〟が氾濫するのは、出版業界の流通の仕組みが大きく影響しているはずです。売れそうな類書を淡々とつくる出版社、それを機械的に配本する取次会社、そのまま受け入れる書店の〝無責任の連鎖〟が結果的に〝毒々しいヘイト本のコーナー〟を生んでいるのです。  

 本屋さんの棚は街角で文化を発信することもできますが、一方で差別や偏見、憎悪も発信できます。出版文化という視点から言うと、世の中には際どいものも含めてさまざまな本があっていいと思います。ただ、街の小さな本屋さんの平台が〝毒々しいヘイト本〟で埋まった光景はやはり〝異様〟です。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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