監視社会がコロナ後の世界のニューノーマル(新常態)になる  


 コロナ禍で、スマホの位置情報や監視カメラの顔識別で誰の行動も把握できる「デジタル監視社会」の〝有効性〟が注目されています。  

 これを使う側は、ひとまず「監視はいちいち悪事を罰するためではない」と言い訳をするでしょう。しかし、実態は個々人の心に監視の目を植えつけ、行動を管理する以外の使用目的はありません。  

 こうしたデジタル監視は今、コロナ禍の感染追跡や外出規制策で世界的に広がっています。かねて「監視社会」と批判されてきた中国の感染抑制策の成果などから、人権に目をつぶった監視社会が「コロナ後」の世界のニューノーマルになるとの声まであります。  

 日本でも、すでに匿名化したスマホの位置情報を統計データにして繁華街の人出を示す試みが始まっています。さらに利用者の同意を前提に、どこかで濃厚接触した人の感染が判明した場合には通知してもらえるスマホアプリの運用が来月にも始まる予定です。  

 個人を特定したスマホ情報の無断利用はできない日本ですが、世界的にはプライバシーの基準を変えかねないウイルスとテクノロジーの相克です。民主主義はコロナ後、文明の底力としてその真価が問われることでしょう。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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