風通しを良くしてエコーチェンバーを避ける

 新型コロナウイルスの感染拡大で今、「エコーチェンバー現象」が広がっています。それは、ソーシャルメディアなどで同じような意見の人がお互い賛成し合っているうちにますますその信念が増幅・強化されることを指しています。なおエコーが反響、チェンバーが部屋(閉鎖空間)のことです。  

 こうしたコロナ過の感染拡大のような状況では、少数者の偏った意見や嘘の情報でも仲間内で反響が反響を呼ぶうちに社会全体をのみ込んでいきます。  

 感染拡大に見舞われている各国では今、国民が閉じ込められた生活を送っています。日本でも外出自粛の要請で「コロナ疲れ」などという言葉が交わされ、「エコーチェンバー現象」が広がっているのです。  

 確かに、感染急拡大で閉ざされて孤立した生活を強いられるとストレスが心配になります。外出禁止となった海外では、DV(配偶者らへの暴力)の増加も伝えられています。人の悲しい性として、鬱屈が他者への攻撃性をもたらすのでしょう。  

 果的に、ソーシャルメディアなどで「外」との繋がりを求めると心にわだかまる不安や恐怖と共鳴する情報や意見を探し、それにとらわれがちになります。感染回避のために巣ごもった家が悲観的なデマや臆測のエコーチェンバーとなって心を苛みかねません。  

 コロナ過は、はからずもテレワークやオンライン授業に目を開かせました。巣ごもった暮らしの空間を不安のエコーチェンバーにすることなく、正しい情報を介して社会へと繋げるネット利用で心に風を通したいものです。 

 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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