人は不安になるとライナスの毛布をほしがる

 スヌーピーの漫画「ピーナッツ」に、ライナスという名の幼児が登場します。彼が手放さない青い毛布は〝安心の毛布〟で、「ライナスの毛布」と呼ばれています。

 児童心理学者の話によると、幼児が一人で行動できるようになると親と離れる不安をなくすために親代わりとなる毛布やぬいぐるみを持ち歩くのだといいます。親と一緒にいるような安心感の拠り所ですから、無理に取り上げてはいけないとされています。  

 こうした安心感を与えてくれるモノへの執着は、なにも幼児にかぎったことではありません。新型コロナウイルスの感染の恐怖が心にわだかまるなかで、いつも通りの平穏な暮らしを支えてくれる日用品や食料を買い溜めしたくなる衝動も〝ライナスの毛布〟の心理でしょう。こちらは、〝矛盾の自己実現〟と呼ばれています。

 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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