新型コロナウイルスに打ち勝つには連帯意識も必要

 ドイツのメルケル首相は新型コロナウイルスの感染についてこう発言しました。

 「全人口の6~7割に広がる可能性がある」  

 元物理学者らしい科学的な見方ですが、政治家のメッセージとしては不適切として反発されています。  

 ただ、長崎大学熱帯医学研究所の山本太郎教授も同じ比率に触れています。 

「日本の場合、人口の6~7割でしょう」  

 療法が見つからない限り、免疫を獲得した人が増えて集団免疫を形成するまで流行が続くということでしょう。科学者は、可能性を否定しません。山本教授は、こう指摘しています。 

「致死率を下げながら拡大の速度を緩やかにし、医療破綻を回避すべきだ」  

 さて、現存する人は〝感染症と共存した集団〟の一人、またはその子孫だといえます。  

 各国で今、非常事態宣言が相次いでいます。政治がなすべきことは多いでしょうが、最後は個々人の自覚に頼るしかありません。

 「政治家を初め指導者は、新型コロナウイルスに仁王立ちで立ち向かえ」  

 こうした掛け声はどこかピント外れで、必要なのは長続きする社会への想像力のはずです。今こそ求められているのは、政治家の指導力以上に社会全体で粘り強く日常を保とうとする連帯意識でしょう。 

 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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