キャラがかぶるのは嫌
「同族嫌悪」という言葉がありますが、同調圧力や事なかれ主義の風潮に毒されているとそこに〝自分と似た存在〟を頻繁に目にするようになります。同族嫌悪とは、自分に似た容姿や性質を持つ人物に対して抱く〝嫌悪感情〟のことです。
まるで鏡に映るもう一人の自分を見ているようで、いたたまれない気持ちになるのもその現れです。こうした経験を持つ人は、少なくないはずです。若者言葉でいうなら、まさに〝キャラがかぶる〟といったところです。
この感情を無意識の働きとして学問的に掘り下げたのが、スイスの精神科医で心理学者のカール・グスタフ・ユング医師です。ユング医師は、他人に知られたくない隠れた自分の気質を「影」と定義しました。
また自分の影を他人の言動のなかに見つけ出し、それを批判する行為を「投影」と呼んでいます。あなたが嫌いな〝同族嫌悪〟の対象は、意外と自分にそっくりの「影」が「投影」された自分自身の〝化身〟なのかもしれません。もちろん、そのなかに〝本当の自分の姿〟も潜んでいるでしょう。
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