新型肺炎とセンザンコウの因果関係

 センザンコウは、哺乳類で唯一ウロコを身にまとっている珍獣です。中国マネーの台頭を背景に、アジアとアフリカでセンザンコウの密猟や密輸が増えているといいます。  

 絶滅を危ぶまれているセンザンコウが最近、改めて中国とのかかわりで話題になっています。それは、新型肺炎を媒介した〝疑い〟の指摘です。中国の大学の研究者らがセンザンコウから取り出したコロナウイルスの遺伝子配列を調べた結果、新型肺炎のウイルスとよく似ていたというのです。  

 コロナウイルスの感染源としては従来、コウモリやタケネズミ、ヘビが候補に挙げられてきました。そこへ第4の犯人として、センザンコウが浮上してきたのです。もちろん、 科学的に確定したわけではありません。  

 気になるのは、むしろセンザンコウ犯人説がまことしやかに語られる背景です。ワシントン条約や各国の法律で守られている動物なのに、中国ではかなりの量が薬用や食用として出回っています。   今回、新型肺炎の感染源となった生き物が何であれ、つまるところ真犯人は〝中国人〟に代表されるヒトだといえるでしょう。  

 先日、野生生物をめぐる犯罪を追及する非政府組織ワイルドライフ・ジャスティス・コミッションがまとめた報告によると、センザンコウの密輸は深刻さを増しているといいます。今回の新型肺炎の猛威は、その一端をあぶり出したのかもしれません。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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