忠臣蔵人気の本質

 年末になると、テレビや舞台に登場するのが「忠臣蔵」です。元禄時代、江戸城で刃傷に及び、切腹となった主君のあだ討ちを果たす赤穂47士の物語です。  

 当時者の赤穂藩主だった浅野内匠頭の終焉の地は、現在の東京都港区新橋にあった大名屋敷でした。その敷地に店を構えていたのが、今に続く和菓子の「新正堂」です。同店には人気の商品があり、「切腹最中」といいます。自分のミスで取引先に迷惑をかけたサラリーマンが、謝りに行くときの手土産にするそうです。相手に、切腹するほどの気持ちを伝えるためです。  

 忠臣蔵が今も人気があるのは、いい悪いは別にして損得を顧みずに自己を犠牲にしてでも主君に忠義を尽くす姿勢が時代を超えて心を打つからでしょう。

 それは、ラグビーW杯日本代表の  「ワンチーム」に共感している〝にわかファン〟の心模様と似ています。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

0コメント

  • 1000 / 1000