故郷は冷たかった
詩人で歌人でもあった中原中也に、「帰郷」という詩があります。
<柱も庭も乾いてゐる/今日は好い天気だ>
<これが私の故里(ふるさと)だ/さやかに風も吹いてゐる>
<今日は好い天気だ>
そう言いながらも、中也が故郷の光景に感じたのは安心や心地良さばかりではないはずです。
詩は、こう結ばれています。
<あゝ おまへはなにをして来たのだと…/吹き来る風が私に云(い)ふ>
故郷の風が、中也を問い詰めています。
吹田市の交番で警察官を襲って逮捕された男は、故郷だったという吹田市で何を感じていたのでしょう。
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