押すべからざるボタン

 小さな子どもは、エレベーターでボタンを全部押してしまうところあります。この点、大人だってボタンを見るとつい押してみたくなります。  

 しかし、そうした誘惑に逆らってでも、押してはならないボタンがあります。その最たるものは、核のボタンでしょう。  

 星新一の傑作ショートショート「ひとつの装置」には、そうしたボタンに絡む人類の未来が描いています。  

 たとえば国立の権威ある研究所の所長が作った装置は、ボタンと腕があるだけです。人がボタンを押しても、装置の腕が元に戻します。そうこうしているうちに、押すべからざるボタンの方が押されてしまいます。  

 話のオチは、誰もが知っている〝押すべからざるボタン〟は小さなインシデントによっても押される恐れがあるということです。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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