〝振り込め詐欺〟に騙される心模様

 さて、フット・イン・ザ・ドア――。  

 昔の押し売りは、いかさま商品を売りつけるため「玄関まで入れたらこっちのもの」と考えていたそうです。

 英語では、これを「フット・イン・ザ・ドア」と言います。ドアに足を挟めると、セールスは半ば成功という意味です。  

 心理学者によると、押し売りを玄関に入れた人は、入れた自分と商品を買う気のない自分の矛盾を感じて不快になるといいます。  

 それを解消して自分の一貫性を保つには、商品がどうあれ買うのが一番容易な解決策となります。  押し売りは、この心理をうまく利用しているのです。  

 今、社会的に大問題となっている〝振り込め詐〟は、そうした心理に付け込む典型的なものでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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