サヨナラとGOOD BYEの違い

 さて、サヨナラ――。  

 女性飛行家の草分けで、文筆家のアン・モロー・リンドバーグは「サヨナラ」について、こう書いています。 

「私は、このようにうつくしい別れの言葉を知らない」  

 大西洋単独飛行のチャールズ・リンドバーグの妻で、来日時の横浜港でたくさんの「サヨナラ」を耳にし、「サヨナラ」は「さやうならば」ということを知ったといいます。  

 英語の「GOOD BYE」(神があなたとともにありたもうように)などとは違い、「サヨナラ」はいわば接続の言葉であり、それ自体、何も語っていません。

 その半面、別れることをあるがままに受け入れている言葉だと感じます。多くを語らずともすべての感情が込められているからこそ、「うつくしい」響きがあるのでしょう。 

 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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