ネット社会で増えている「いきなり型」の凶悪犯罪

 福岡市中央区であったIT関係セミナーの講師を務めていた有名ブロガーが刺殺された事件は、ネット社会に潜む「憎悪」の深刻さを浮き彫りにしました。  

 刺殺されたインターネットセキュリティー関連会社「スプラウト」の社員、岡本顕一郎さん(41歳)は、「Hagex」のハンドルネームでブログを書いていました。  

 福岡県警によると、殺人などの容疑で逮捕された松本英光容疑者(42歳)は被害者となった岡本さんと直接会ったことはなく、「ネットで被害者の姿を見ていた」という趣旨の供述をしているといいます。  

 亡くなった岡本さんは生前、松本容疑者とみられる人物がネット上で複数の人へ誹謗中傷を繰り返していたことをブログで問題視していたようです。  

 松本容疑者は高校時代まで、熊本県天草市内の実家で生活していました。学生時代の成績は、学年の上位でした。中学ではソフトテニス、高校では剣道の部活動に熱心に取り組んでいました。読書も好きで、海外の小説も読んでいたといいます。  

 旧帝大の九州大文学部に入学し、イスラム文明について学んでいます。卒業後は福岡県内のラーメン店でアルバイトをし、その後は正社員として約3年前まで働いていたといいます。家族には、「職場が気に入った」と話していたようです。  

 大学時代の同級生は、松本容疑者について「地味で目立たず、真面目でおとなしい人だった。こんな事件を起こすなんて信じられない」と語っています。  

 この種の人物がキレると、「いきなり型」の凶悪事件を引き起こす傾向があります。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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