ゴリラ社会のリーダーとサル社会のボスの違い

  ゴリラの群れを追ってジャングルを駆け回ってきたゴリラ研究の第一人者、京都大学の山極寿一総長によると、「ゴリラ社会のリーダーとサル社会のボス」は違っているといいます。  

 ゴリラ社会は並列社会で成り立ち、ニホンザルを初めとするサルの社会は勝ち負けが明白な階層社会で成り立っているといいます。  

 サル社会では、エサを前にしても最初から弱い者は強い者に遠慮して手を出しません。そうやって、トラブルを未然に防いでいるのです。  

 一方、ゴリラの社会は勝ち負けを決めないのです。群れの中では体が小さくても威張っているし、子どもも負けてはいないといいます。  

 こうした群れの中でリーダーとなるのは、一番体が大きくて、成熟の証しである白い毛を背中に持つ「シルバーバック」と呼ばれるオスです。  

 シルバーバックは力を誇示することで君臨するサル社会のボスと違い、メンバーの信任の上に成り立つリーダーです。  

 メスから自分の子どもを預ける対象として信頼されなければならないし、子どもたちからも自分を守ってくれる保護者として信頼されなければいけません。  

 こうした二重の信頼を得て、初めてリーダーとして認められるというのです。     

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

0コメント

  • 1000 / 1000