池上彰「芸能人がニュースを伝える現状に違和感」

 ニュース解説でおなじみのジャーナリスト・池上彰氏さんは、タブーを恐れずに相手に斬り込んでいきます。このスタイルは、「池上無双」とも呼ばれています。  

 池上さんは「文春オンライン」の連載「池上さんに聞いてみた!」で、テレビで芸能人が ニュースを伝えたり、解説したり、コメントしたりする役割について「違和感を禁じ得ません」と述べています。  

 テレビ局側が「人気タレントを画面に出していれば視聴率が稼げるだろう」といった発想になるのはわかります。しかし、芸能人がニュースを伝えるのは国際的に見ても日本にしか見られない〝奇観〟というのです。  

 たとえばイギリスのBBCやアメリカのCNNのニュースを見ると、画面に登場するのは男女ともに経験豊富なベテランジャーナリストです。そして、現場からニュースを伝えるのも現役バリバリのジャーナリストなのです。  

 この点、日本のテレビ局では、これまでニュースに関心のなかった芸能人にカンペを読み上げさせています。これは、ふつうに考えても不思議な光景です。  

 カンペとはカンニングペーパーのことで、言うべき内容が画用紙に書いてあります。それをアシスタントディレクターがカメラの横に掲げ、芸能人に読ませるのです。  

 芸能人の中には、字を知らなくてカンペの文章を読めない人もいます。  

 日本のテレビ界では、未だにプロの仕事はプロに任せるというルールが確立していません。やはり、ニュースは「ニュースのプロ」が伝えるべきでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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