ネットを介した軽やかな人間関係

 ネットの広まりで、人間関係の流動化が始まっています。そこで生まれてきたのが、不安定さをともなった「軽やかな人間関係」です。  

 それは壊れやすいという特徴があり、人間関係をリアルに保証してくれるものではありません。なぜなら相手を簡単に「仲間から外す」という自由は、自分だけではなく相手にもあるから。  

 ザックリ言うと、おたがいに仲間であるというのは「そうあってほしい」という儚い思いの共有にしか過ぎないのです。だから、バーチャルに「繋がっている」ことを確認しないと不安でたまらないのです。   

 ネットを介したバーチャルな人間関係は、おたがい相手の断片的な情報を拠りどころとしながら期待されるキャラを演じ合いがち。そこで得られる他者承認なんて、その程度のものです。  

 軽やかな人間関係では、何らかの共通した目標や目的があると人間関係は安定しやすく他者承認も得やすくなります。  

 人は、社会生活を送るなかで「だれかに認められたい」という感情を抱きます。そうした感情の総称が、いわゆる承認欲求。  

 承認されたい対象によって他人から認められたいという他者承認と、自分の理想像と比べて今の自分に満足しているという基準での自己承認があります。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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