スマホの神様

 電車に乗ると、スマホと睨めっこの乗客だらけ。取材で、20代後半の男性のスマホを車内で見せてもらったことがあります。  

 彼が受信したメールを見ると、ユーモラスな魚のキャラクターや絵文字が並んでいました。そこで若者に、聞きました。 

「これって何?」

「魚が教組さま、絵文字が教えを指しています」  

 男性は当時、新興宗教からの脱会しようとしていました。  

 宗教の世界も、ネットの普及で大きく様変わり。とくに新興宗教はメールやサイトなどツールを駆使し、布教活動に取り組んでいます。  

 そうしたメールやサイトを見ても、宗教の匂いは一切感じられません。取材に応じてくれた男性は、こう明かしています。 

「入会した当初、勧誘してきた美人の女性信者からのメールを心待ちにしていたところがあった。まるで、日常がスマホに縛られているかのようでした。まさか自分が洗脳されるとは思ってもいなかった。教団から送られてくる質問メールに返信しなければという義務感があり、教団に絡め取られていたようだった」  

 男性は、入信した教団よりも最初に勧誘してきた女性信者のことが忘れられないと言っていました。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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