キャリアダウンでも会社にしがみつくサラリーマン

 サラリーマンにとって、同じ企業で長く働いていると何かとキャリアダウンのリスクが高まっていきます。

 なぜなら前例を踏襲するばかりで新たな挑戦をしてこなかったので、いつの間にか時代の流れに取り残されているから。

 会社にしがみつくといった向上心のない安定志向は、破壊的イノベーションが進んでいる時代状況では却ってリスクになるということです。

 ISSP(International Social Survey Programme)は、世界44の国と地域が参加している国際比較調査グループ。

 そこが実施した「職業意識に関する調査(05年)」によると、日本では「転職する気はない」と考えている社員が32か国中2位と異様に多いのが目立っています。

 転職する気がないので会社への忠誠心が高いのかというと、そうではありません。ほかに行くところがないので、何とか今の会社にしがみついてでも居座ろうとしているだけのこと。

 それがコスト削減の足かせになるなど負のスパイラルの温床となり、職場にムダな管理職やその部下を過剰人員としてあふれさせているのです。

 お笑い芸人のジェイソンさんがツイッターでつぶやき、それが話題になったことがあります。

「日本の一般企業では残業しないとたいした給料もらえないというのは、仕事を効率悪くやる人にご褒美をあげている。どんどん効率も競合力も悪くなる。それだとグローバルでの競合が無理ダロウ」  まさに、多くの日本企業が抱えている過剰人員の問題について核心を突いています。

 このところプロジェクト型の事業が増えていますが、それを担当するチームに加わるメンバーの大半がこう思っています。

 「チームワークとは、周りのメンバーに合わせて自分を殺すこと」 

 そのため、それぞれの個性を十分に活かした前向きな姿勢がチームのなかで生まれにくくなっているといいます。

 まさに、日本企業のプロジェクチームにはメンバー間に前例踏襲という同調圧力が蔓延しているのです。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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