リベンジポルノ~他人にとって有害な人たち

 他人にとって有害な人は、世の中のルールや決まり、モラルとは無縁。日ごろ何かと物事を面倒にし、周りにストレスを与えます。

 自分が周りから迷惑がられていることに気づかない人もいれば、わざと周りを混乱させたり、他人を怒らせたりすることに歓びさえ見いだす人もいます。

  15年、写真週刊誌『フライデー』に、フジテレビ『めざましテレビ アクア』のキャスターだったフリーの女子アナがあられもない姿で写っている不倫写真が掲載されたことがあります。

 この手の写真がメディアに出回ったのは、初めてではありません。09年、日本テレビの人気アナウンサーだった夏目三久さんも似たような被害に遭っています。なんと、避妊具を手に微笑んでいる写真が雑誌『FLASH』に掲載されたのです。

 性行為中の撮影は男性がカメラを構えることがほとんどで、そのため被害者は女性に集中しがちです。ネット時代を迎え、そうした写真や動画をネット上に簡単にアップできるので、他人にとって有害なゲスの手によって「リベンジポルノ」として使われるケースも増えています。

  リベンジポルノとは、離婚した元配偶者や別れた元交際相手が腹いせに相手の私的で性的な写真や動画をネット上に無断で公開する行為のこと。 

 ネット社会で写真や動画がネット上に流出し、拡散してしまうと、その完全な削除はほとんど不可能。結果的に、そうした写真や動画が半永久的にネットに存在し続けるデジタルタトゥーとなりやすいのです。

  むろん、リベンジポルノを仕掛けられた被害者の精神的苦痛は計り知れません。

 13年、東京都三鷹市で起こったストーカー殺人事件では、元交際相手の犯人(当時21)が被害者で元交際相手の女子高生(当時18)の性的な画像や動画をネットにアップしていたことがわかって社会問題化しています。

  そうした事態を受けて、14年11月に「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」が施行。いわゆるリベンジポルノ防止法では、プライベートで撮影された性的な画像や動画を相手の許可なく不特定多数に公表した場合に取り締まりの対象になります。

 同法の施行後、リベンジポルノをめぐって年末までの約1カ月間だけでも110件の相談が全国の警察に寄せられたといいます。警察庁によると被害者の9割が女性で、20代以下が約6割を占めていました。

 なかには直接会ったことがない人から被害を受けたとの相談もあり、相次ぐ被害の一端が浮き彫りになっています。

 加害者の年齢は30代がもっとも多く、20代がそれに続いています。

 警察庁は、そうしたリベンジポルノの画像をすべて削除するのは難しいことから「安易に画像を送ったり、撮らせたりしないこと」と注意を呼び掛けています。


八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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