人生で最大のリスクは過去の生き様を後悔すること

 アパレル業界で、子ども・ジュニア向けのブランドを全国展開している「ナルミヤ・インターナショナル」――。

 創業者の成宮雄三さんは、自社ブランドの展開を都内のデパートの1坪にも満たない売り場から始めて爆発的なヒットに繋げています。

 私とのインタビューで、当時をこう振り返っていました。

 「高島屋の社員時代、そこのフロア全体を取り仕切っていたこともあった。だから、1坪足らずの売り場には感慨深いものがありました」

  その後も、いろいろ仕掛けていきます。ある日、大相撲の会場で力士の幟がズラッと並んでいる光景を見て、これだと思ったそうです。 

「ありきたりのセールでは、今一つ面白くない。集客力にも欠けると思っていた。そこでデパートの販売フロアで、お客さんが遠くからでも当社の商品をあつかっている売り場が一目でわかるように幟をたくさん立てることにした」

  人は退路を断たれると、いろいろと役に立つアイデアが湧き出てくるものです。

 大事なことは、そうしたアイデアを実行に移すこと。それで最初は一坪足らずの売り場でも、やがて会社を大きく成長させることができるということです。

 それがサラリーマンなら今のポジションがどこであっても、目の前の仕事から逃げないで真正面から取り組んでいます。

 そこで心の体幹が鍛えられ、キャリアがしっかりと根を張っていくのです。

  人生で最大のリスクは、それまでの自分の生き様を「ああすれば良かった、こうすれば良かった」と後悔することです。

 いくら過去を悔やんだとしても、それを取り戻すことはできません。だれでも、人生で残されているのは現在か未来しかないのです。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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