政権の体質は変わっていない
ハードボイルド調の傑作映画「チャイナタウン」では、ジャック・ニコルソンさん演じる私立探偵のもとに謎の女性から電話がかかってきます。
女性は、警戒しながらこう話しかけます。
「今おひとり?」
電話の周囲には複数の人間がいたのですが、私立探偵はこう答えます。
「誰だってひとりさ」
人は誰でも孤独であると言って、会話をつないだのです。
ギリギリかもかもしれませんが、嘘はついていません。職業上の倫理から、嘘をつかないことを自らに課した人の言葉のカッコよさです。
その点、放送事業会社に勤める菅首相の長男らによる総務省幹部の接待の問題は誠にカッコ悪いものです。
それは、彼らが配慮してきたのが倫理規程より権力そのものだったのではないかという疑念です。
総務省の局長は当初、放送業界に関する話題が出たかどうかについて「記憶にない」と言っていました。
しかし、音声データが公開されると答弁を一転させています。
「発言があったのだろうと受け止めている」
局長は、事実上の更迭となっています。そんな昔の話でもないから、虚偽答弁と言われても仕方がないでしょう。
菅首相への忖度ではなかったかも疑われ、虚偽の答弁を初め安倍前政権からの体質は一掃されたようには思えません。
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